
先代から続く「貸地」をお持ちの地主様へ。手書きの古い契約書を放置するリスクと、18年の現場経験からお伝えしたい“本当の出口戦略”

皆さま、こんにちは。オルテ地所開発の市ヶ谷です。
「うちには昭和の時代からずっとお貸ししている土地(借地)があるけれど、毎月決まった地代(ちだい)が遅れずに振り込まれてくるし、お隣さんともトラブルがないからそのままにしているよ」
地元・戸田周辺の地主様を訪問させていただくと、このようなお話を伺うことがよくあります。
古き良き時代から、お互いの高い信頼関係だけで続いてきた貸地。それ自体は素晴らしい地域の絆ですし、私もその歴史には深く敬意を表します。しかし、不動産と相続の最前線に立ち、地主様側の代理人として数々の泥沼の交渉をまとめてきた実務家としての目線でその契約内容を見せていただくと、思わず背筋が凍るような「未整備のリスク」が潜んでいることが少なくありません。
最も多いのが、「契約書が当時のまま一度も更新されておらず、色あせた手書きの紙が一枚あるだけ」「そもそも、どこからどこまでが貸している範囲なのか、境界杭すら確認できない」というケースです。
今、地主様と借地人様のご本人の間であれば、「昔からの付き合いだから」で大抵のことは丸く収まります。しかし、本当の危機は、どちらかに相続が発生し、次の世代へバトンが渡った「まさにその瞬間」に、一気に噴出するのです。
■ 「お互い様」が通用しない、借地権の冷徹なリアル
歴史や過去の経緯をまったく知らないお子様世代が引き継いだとき、古い契約書のままでは、以下のような「お金と権利の壁」に必ずぶつかります。
1. 建物の建て替え時に、本来もらえるはずの「承諾料」を取りこぼす
木造の借地上の建物が古くなり、借地人様が「息子夫婦と同居するために建て替えたい」となったとき、地主様には「建替承諾料(名義書換承諾料)」を請求する正当な権利があります。しかし、古い契約書にその基準や%(パーセンテージ)が明記されていないと、「昔はお父さんからタダでいいと言われていた」「いや、そんなはずはない」と、最初から感情的な大揉めに発展します。
2. 時代の相場とかけ離れた「不当に安い地代」で固定される
昭和の時代の物価基準のまま、あるいは「固定資産税の3倍程度でいいよ」といった昔のどんぶり勘定のまま地代が据え置かれているケースです。地主様は土地の固定資産税を払い、相続が発生すれば高い相続税評価を課せられるのに、入ってくる地代はスズメの涙。これでは、資産を持っている意味がありません。いざ地代の値上げ交渉をしようとしても、契約書に「物価変動時の改定条項」がなければ、相手に拒否されてそれでおしまいです。
3. 「高齢になったから土地を買い取ってくれ」という突然の要求
現在、借地人様の高齢化が進んでいます。「一人暮らしになったのでアパートを引き払って施設に入る。ついては、この建物を解体するから、うちの『借地権(土地の価値の6割〜7割)』を地主さん側で買い取ってくれませんか」という相談が、ある日突然舞い込みます。地主様側に数千万円という手元資金がなければ、買い取ることもできず、かといって第三者に借地権を売られてしまえば、見ず知らずの他人があなたの土地の上に住むことになります。
つまり、契約が曖昧な貸地は、地主様にとって「主導権を完全に握られ、身動きが取れないお荷物資産」になってしまっているのです。どちらかが感情的になったり、体調を崩したりしてからでは、解決までに何年もかかる泥沼の裁判闘争になりかねません。
■ 相手を追い出すのではなく、お互いの「未来の安心」を設計する
だからこそ、お互いの関係が良好で、地域の歴史をよく知る先代たちが元気な「今」こそが、将来の火種を消すためのベストタイミングです。
私たちが提案する「借地権の整理」とは、決して借地人様を冷酷に追い出すようなことではありません。
お互いの次の世代が絶対に困らないように、現代の法律に合わせた「定期借地権への巻き直し」や、将来の「底地(地主の権利)と借地(借地人の権利)の等価交換(土地を綺麗に半分に分けて、お互いに完全な所有権にすること)」など、お互いの懐を痛めずにウインウインになれる着地点を、プロの知恵を使って穏やかに形にしていく作業です。
地主様の「先祖代々の土地を、価値ある形で守り抜きたい」という想いと、借地人様の「これまでの感謝と、これからの安心した暮らし」の双方をプロの基準で成立させる。これこそが、私の根底にある「道経一体」「三方良し」の貸地管理の姿です。
「そういえば、うちの貸地の契約書ってどこにあったかな」
「お隣の借地人さんも高齢になってきたし、そろそろ先のことを考えておきたい」
そう思われたら、まずはその古い手書きの紙を、私にそっと見せてください。難しい法律の解説ではなく、「もしこれが私の土地なら、こうやって守る」という実務家としての本音の作戦を、お茶を飲みながら丁寧にお話しさせていただきます。
将来の選択肢を、今のうちに一緒に整理していきましょう。
相続や不動産に関する小さなお悩みやご不安は、どうぞお気軽にオルテ地所開発までお問い合わせください。

