実家の「終活」を始めたいけれど、子供にどう切り端せばいい?家族の歴史にずっと寄り添ってきたプロが教える、親子の溝を埋める正しい順番の画像

実家の「終活」を始めたいけれど、子供にどう切り端せばいい?家族の歴史にずっと寄り添ってきたプロが教える、親子の溝を埋める正しい順番

相続

市ヶ谷 和親

筆者 市ヶ谷 和親

不動産キャリア23年

真心を込めて、明るく楽しく一生懸命取り組みます。


 皆さま、こんにちは。オルテ地所開発の市ヶ谷です。

 「自分が元気なうちに、この土地やアパートをどうするか整理しておきたいけれど、子供たちに話すと『縁起でもないから後に決めてよ』と嫌がられてしまう」
 「遺産分割の話をしようとすると、なんだか子供たちが身構えてしまって、会話がギクシャクして進まない」

 このような、実家の「終活」や将来の相続に関するご家族間のコミュニケーションのお悩みを、本当に多くのオーナー様から伺います。親御様としては、将来子供たちが揉めないように、良かれと思って先を考えて行動しているのに、当の子供たちとすれ違ってしまうのは本当に切ないことです。

 親子だからこそ、お互いの感情が邪魔をして本音を伝えるのが難しい不動産の話。実は、この会話をスムーズに進めるには、絶対に守るべき「話す順番」があるのです。

■ なぜ、子供たちは身構えてしまうのか

 多くの方がやってしまいがちな失敗は、最初の段階から「この土地はいくらで売れる」「相続税がこれくらいかかるから、誰にどのアパートを継がせるか」という、お金や権利、数字の話から始めてしまうことです。

 これを聞かされたお子様世代は、日常の忙しさもあって戸惑うのはもちろん、どうしても「親の遺産をあてにしているように思われたくない」と過剰に身構えたり、兄弟間でのバランスを気にして逆に感情的になったりしがちです。子供の側からすれば、親が急に「お金の現実的な話」をしてくること自体に、何か寂しさや不安を感じてしまうことも少なくありません。

 つまり、数字から入るアプローチは、家族の間に見えない「壁」を作ってしまうのです。

■ 最初に語るべきは、数字ではなく「大家さんの歴史」

 親子での不動産会議を円満に進めるために、まずは数字をすべて脇に置いてみてください。そして、「この土地や建物を、これまで親たちがどんな想いで、どれだけの苦労をして守ってきたか」という、大家様ご自身の歴史から語ってみてほしいのです。

 「実はあのアパートを建てた時、最初は入居者が集まらなくてね。管理会社のオルテさんと一緒に必死になって部屋を整えて、ようやく満室にしたんだよ」

 「ここの土地の入居者さんや地元の皆さんには、もう何十年も良くしてもらっていて、本当にありがたい存在んだ」

 こうした現場のリアルな物語や、親がこれまで生きてきた証としての「想い」を聞くことで、お子様世代の意識はガラリと変わります。
ただの「古くて面倒そうな不動産」という認識から、「親が人生をかけて守ってきた、大切な家族の財産んだ」という、敬意を持った自分事へと変化するのです。「それほど大変な想いをして守ってきた土地なら、自分たちも真剣に考えなければいけないな」という心の土台ができて初めて、具体的な数字や分け方の話がスムーズに進むようになります。

■ 「いつもの管理会社」が間に入る本当の意味

 とはいえ、家族だけで向き合うと、どうしても照れくささから感情がぶつかってしまうこともあるかと思います。そんな時は、ぜひ私を「いつもの管理会社の担当者」として、ご自宅のお茶の間に呼んでください。

 私たちは、ただ机の上で書類を右から左へ動かすだけの専門家ではありません。大家様が日々、どんな想いで物件を大切にされてきたかを現場で一番近くで見てきたパートナーです。
 私が間に入り、「お父様、お母様がこれまでどれだけ物件の手入れに心を砕かれてきたか」「この土地が地域でどれだけ大切な役割を果たしているか」を第三者の客観的な事実としてお子様たちにお伝えします。

 日頃から物件の管理を通じて地元の現場をよく知る実務家が介在することで、驚くほど自然に親の想いが子供へ伝わり、お互いに感情的にならずに未来の選択肢を話し合えるようになります。

 大切な資産のバトンタッチは、単なる名義の変更ではなく、「家族の想い」を繋ぐ作業です。将来の不安を安心に変える第一歩を、まずは気負わずにお茶を飲むような雑談から、一緒に踏み出してみませんか。

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