路線価の上昇が税負担となる!?
国税庁から令和5年分の路線価が発表されました。
全国平均では前年比で1.5%の上昇と、2年連続で上昇となっています。コロナによる経済不安からの回復傾向が見受けられます。
埼玉県平均では全国平均を上回る1.6%の上昇となっています。戸田市においても、前年を上回っている地点が多く、例として戸田市役所の西側に面する道路の路線価が下記になります。
◇令和4年分 245,000円/㎡
◇令和5年分 265,000円/㎡
⇒上昇率 約8.2%
路線価は、各道路に対して価格を定めています(路線価のないエリアもあります)。その土地の面積(㎡)と接している道路の路線価を乗じることで土地の評価額を計算し、そこから相続税や贈与税を算出することができます。
※実際に税額を算出する際は、各補正率を乗じます。
路線価には「相続税路線価」と「固定資産税路線価」があり、令和5年7月3日に発表されたのは前者になります。
「固定資産税路線価」は各市町村が土地の固定資産税評価額を求めるために使用し、固定資産税や都市計画税などの算出根拠となっています。2つの路線価の公表日には3ヶ月ほどの時差がありますが、基本的には連動した値動きが見られます。つまり、今後相続が発生した際の相続税等だけではなく、毎年かかる固定資産税も負担が増える可能性が高いです。
また、上記表の通り、相続税路線価と固定資産税路線価はともに公示価格が基になっています。令和5年の公示価格(令和5年1月1日現在の価格)は前年比から上昇していることからも、今後の相続税等及び固定資産税の負担が増えると見て取れます。
路線価が上昇したことによる、土地所有者への影響は下記になります。
<メリット>
○資産価値の上昇
○土地売却時に高値が付く可能性
<デメリット>
●相続税、贈与税の上昇
●固定資産税が上がる可能性
固定資産税にも影響があることは盲点だった方もいらっしゃるのではないでしょうか。路線価が上昇することで資産価値は上昇するとは思いますが、売却しなければ意味はありません。税金の負担が増えるだけです。この点はシビアに捉えることが良いでしょう。