相場上昇が相続税負担に繋がる?
戸田市の物件を見ていると、住宅地や一戸建てなどの住宅のみならず、倉庫・工場などの事業用物件の価格が以前と比較して高い水準にあり、戸田市の市場価格=相場が上昇していると改めて感じます。
1.戸田市は事業用地・住宅地ともに需要あり
先日、戸田市の美女木エリアで土地売買の契約がありました。個人的な相場感覚としては、坪@40~50万円と思っていたのですが、実際には坪@90万円と2倍もの高値で成約となりました。
美女木エリアや隣接する笹目エリアは新大宮バイパスや首都高速埼玉大宮線、外環自動車道など各方面への車でのアクセスに長けていることから、倉庫や工場といった事業用地としての需要は高い傾向にありました。この数年でその需要を取り込んだことから、現在では事業用地がかなり希少になっており、今回のような高値での成約となりました。
住宅地を見ても、戸田市の人気は高まる一方です。都内に隣接する立地であるため、都内通勤者、特にファミリーからの住宅需要は多くあります。それに比例する形で住宅価格は高くなってきており、駅から徒歩15分圏の新築一戸建ては5,000万円以上と都内とあまり変わらない価格水準となっています。10年ほど前までは同じような条件で3,000万円くらいで購入できたことを考えると、近年の上昇傾向が鮮明にわかるかと思います。 ※金額は物件によって異なります。
当社と取引のある建売住宅を扱う建築会社からは、「戸田市の建売物件は需要があり、販売すればすぐに売れる」と評価されているようで、各建築会社は戸田市の物件(建売住宅の建築用地)の仕入れに力を入れているようです。戸田市の人気は立地の要素が大きいことから、今後相場が大幅に下落する可能性は低いでしょう。
※戸田市ホームページより
2.相場上昇によるデメリット
戸田市に住んでいる方や新たに戸田市に住む方からすると、土地の評価=資産価値が上がるため、将来的に所有地を高く売却できるかもしれません。
一方で、相場が上昇することによる懸念として挙げられるのは、各市町村が定める固定資産税評価額と国税庁が毎年7月に公表する路線価が上昇することで、各種税金の負担が増すことです。
税金も市場動向が反映されるため、結果的に毎年支払う固定資産税が上がり、さらには相続発生時に相続税も上がるという二重の負担を強いられることが予想されます。
また、改めて周知しておきたい点として、相続税は2015年1月1日の税制改正により基礎控除額が<3,000万円+600万円×相続人の数>に引き下げられたため、これまでは関係ないと思っていた方も相場上昇を背景に相続税を支払う必要が生じてくる可能性があります。
相続税は相続発生から10ヶ月以内に必ず納付しなければなりません。もし相続税を支払うための原資=現金がない場合、この10ヶ月以内では所有地を売却して現金化するには間に合わない、もしくは思っていた金額で売却できないこともありえます(買う側からは足元を見られることもあるため)。
もし事前にこうした事態を想定できるのであれば、慌てて売却する必要がなく、納税対策や遺産分割、相続税対策といった相続全般に対してじっくり検討することができます。それにより、所有地を売却せず、かつ相続税の負担を軽くする、ケースによっては負担を無くすことができるかもしれません。