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建築基準法改正による不動産賃貸業への影響

建築

森 健

筆者 森 健

不動産キャリア8年

不動産の購入や売却を検討する際、専門的なこと、難しいことが多々あります。そんな時に頼りになれるようサポート致します。

住居系の収益物件を所有しているオーナー様には気になるニュースです。

参考:国土交通省ホームページ

建物を建築する際は、役所等に対して必要書類を提出し、審査を受ける必要(=建築確認)があります。これまでは建物の規模、具体的には延床面積500㎡以下、2階建て以下といった条件を満たした木造住宅=4号建築物については、建築確認及び検査の審査の一部を省略することができ、これを4号特例と言います。個人が住む一戸建てや2~3階程度のアパート・マンションが当てはまってきます。この特例により期間的・費用的に圧縮することができるため、有益な制度でした。

しかし、2025年4月に建築基準法が改正となる予定で、木造2階建てなど4号建築物という区分が無くなり床面積200㎡超の木造2階建てや木造平屋建ては、木造3階建てなどとおなじ新2号建築物という区分に、延床面積200㎡以下の木造平屋建ては新3号建築部という区分になります。

新2号建築物における新築や増改築を行う場合、建築確認の申請に際して一部を省略できるという特例はなく、通常の手続きが必要になり、これまで以上に時間と費用がかかることが予想されます。また、大規模なリフォームを行う場合も建築確認が必要になります。


では、大規模なリフォームの基準は何かというと、下記をご参照ください。



主要構造部=壁、柱、床、梁、屋根などの内、過半を改修する場合は建築確認申請が必要、それに満たない場合や設備(キッチンやトイレなど)を交換する場合は不要になります。

今後は小規模なアパートや戸建ての建築、こうした建物の大規模リフォームを行う際は、建築確認申請が必要になり、手続きに時間がかかることになり、それに伴い、コストも上がることが見込まれます
以前のブログ(参考:オーナー様の不動産賃貸業に取り組む姿勢)で記載しましたが、さまざまな理由により不動産賃貸業に伴う経費が上がってきています。弊社とお付き合いのある建築会社や設備業者に話を聞くと、建築価格や設備価格の高騰は収まりつつある一方、当面は下がることはない模様です。新たに不動産賃貸業の開始を検討されている方はこの状況を鑑み、計画の見直しや場合によっては中止するという決断も必要になってくるのではないでしょうか? 
不動産業者の私が言うのは場違いかもしれませんが、新たに不動産賃貸業を始めるには難しい時代になってきている気がします。悲しいことに、甘い言葉で建築を進めてくる建築会社や不動産業者等も存在しているため、安易に計画を実行しないよう注意してください!

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