土地区画整理地内の売買は要注意!?
先日お客様から土地についての問い合わせがありました。土地区画整理地内に立地しており、建築が制限される、将来土地の面積が減ってしまう、という悩みを持っている方でした。土地区画整理事業とは?土地の面積が減るとは?どういうことでしょうか。
1.土地区画整理事業とは
土地区画整理事業とは未整備な市街地予定地内の一定の地区において、宅地の利用促進、都市施設の整備改善を図るため、土地の区画や形状を整え、道路、公園など都市施設の新設、整備を行い、良好な市街地を総合的につくりあげる事業です。(出所:戸田市のホームページ)
簡潔にすると、雑多な街並みを整理して綺麗にすることかと思います。これは都市計画法、土地区画整理法という法律で定められた行為であり、基本的には行政が主体となって事業を行います。事業期間は数十年単位で行われることが多く、戸田市では新曽エリアで二つの土地区画整理事業が進行中で、新曽第一土地区画整理事業は1995年から始まっています。(2023年度に完了する予定)
街並みを整理することで、自分の土地を今まで同じようには使用できない場合があります。
例えば、土地区画整理事業の計画が決定されると、その事業区域内では地下のない2階建てで木造や鉄骨造などの非堅固建物しか建てることでできなくなります。駅前に立地する土地であっても鉄筋コンクリートのビルは建てられないことになります。
また、ある土地を持っている方が土地区画整理のため、今の場所(「従前地」といいます)から別の場所(「仮換地」といいます)に移動し、従前地が120㎡だったが道路や公園のために土地の一部を提供し仮換地が100㎡(「減歩」といいます)になることがあります。区画が整うことによる価値が高まるため、土地面積が少なっても従前地と仮換地の価値は同じという考えになりますが、場合によっては清算金ということで価値の差を補填することもあります。
良い面と悪い面がある、これが土地区画整理事業になります。
2.土地区画整理事業地内では調査が重要
土地区画整理事業地内で土地の売買を行う際は注意が必要です。
取引の対象は従前地になりますが、今後使用できるのは仮換地になるため、仮換地にどのような制限があるかを調査しなければなりません。
土地区画整理事業が完了するまでは登記は従前地のままになります。当然登記に記載の面積も従前地にもので仮換地とは異なってくるため、役所や法務局、土地区画整理事務所などで仮換地図や仮換地証明書などを取得して整合性を検証しなければなりません。
通常の土地の売買と比較するとより詳細な調査が必要になります。