地価上昇は誰にとって得か?
国土交通省から令和6年の地価公示(公示価格)が発表されました。
全国平均では住宅地・商業地で3年連続で上昇し、上昇率が拡大しています。
埼玉県平均では前年からの変動率が+2.0%、さいたま市平均では+2.7%と上昇となっており、当社のある戸田市もプラスの上昇となっています。
参考として、戸田市本町5丁目の公示価格を見てみます。
令和5年:318,000円/㎡ → 令和6年:337,000円/㎡ (+6.0%)
埼玉県平均とさいたま市平均を超える上昇率となっており、戸田市の強さを窺うことができます。
新聞やニュースを見ていると、「地価公示が上昇すると景気が良くなる」、「資産価値が上がってうれしい」みたいな風潮があるように感じますが、果たしてそうなのでしょうか?
地価が上がるということは、不動産の価格が上がることを意味します。つまり、価格が高くなるため、土地を買いたい人にとっては望ましくない状況です。一方、土地を売りたい人から見れば高く売れる機会となるため、望ましい状況かと言えます。
また、地価の上昇は固定資産税評価額の上昇に繋がり、結果として固定資産税が上がります。今年は固定資産税の評価替えの時期(3年ごとに見直し)になるため、土地を所有している方は昨年よりも負担が増すことが予想されます。更に、固定資産税評価額は不動産を購入した時に発生する登録免許税や不動産取得税の基にもなるため、この点でも負担が増加します。
こうして見ると、地価が上がることで我々民間人は得する人と損する人に分かれますが、国や行政は税収が上がることで確実に得する立場となります。
実のところ、私は地価の増減はあまり気にしていません。地価の動向に関わらず、不動産を買いたい人は買いますし、売りたい人は売ります。我々はそうしたお客様に対してどのような提案ができるかが本質だと思っています。
地価公示や路線価の増減が話題になる時、どこか冷めた感じで捉えているのは私だけでしょうか。