「まだ親は元気だから、そのうちね」が一番危ない? 判断能力が衰える前に知っておくべき、不動産と口座の『資産凍結』という見えないリスクの画像

「まだ親は元気だから、そのうちね」が一番危ない? 判断能力が衰える前に知っておくべき、不動産と口座の『資産凍結』という見えないリスク

市ヶ谷 和親

筆者 市ヶ谷 和親

不動産キャリア23年

真心を込めて、明るく楽しく一生懸命取り組みます。


皆さま、こんにちは。オルテ地所開発の市ヶ谷です。

地主様や大家様のご自宅を訪問させていただき、将来の相続や資産管理についてお話しする際、息子様や娘様からよくこのような言葉を耳にします。

「うちの親父はまだ元気で畑仕事もしているし、頭もしっかりしているよ。相続や名義の話をするのは、もっと具合が悪くなってからでいいんじゃないかな。」

親御様がお元気でいてくださることは、何より喜ばしいことです。「まだ元気な親に対して、相続やお金の話を切り出すのは縁起が悪い、申し訳ない」と思われるお気持ちも本当によく分かります。

しかし、不動産と相続の実務現場に立ち続けてきた私から見ると、「親が元気だから、対策はまだ先でいい」という先送りこそが、実は最も危険な落とし穴なのです。

■ 認知症・判断能力の低下で起きる「資産の完全凍結」

不動産や銀行口座は、所有者ご本人の「意思能力(判断能力)」がしっかりしていることを前提に動いています。

もし、病気や認知症などで親御様の判断能力が著しく低下してしまった場合、法律上「契約行為」ができなくなります。その結果、ある日突然、以下のような事態に直面することになります。

  • ✔ アパートの大規模修繕や建て替え、設備の更新が一切できなくなる
  • ✔ 納税資金や施設入居費用のために土地を売りたくても、売却契約が結べない
  • ✔ 親名義の銀行口座が凍結され、賃料の管理や預貯金の引き出しができなくなる
  • ✔ 遺言書の作成や生前贈与といった、あらゆる相続対策の手続きが完全にストップする

「家族なんだから、子供である自分が代わりにサインすればいいだろう」と思われるかもしれませんが、法的には認められません。いざ「成年後見制度」を利用しようとしても、家庭裁判所の厳しい管理下に置かれるため、積極的な土地活用や相続税対策、柔軟な資産の組替えは一切認められなくなってしまいます。

■ 「倒れてから」では、選べる選択肢がゼロになる

現場でご相談をお受けしていると、「親の物忘れがひどくなってきてから相談に来られた」というケースが本当に少なくありません。

しかし、意思疎通が難しくなってからでは、法律上できる選択肢がほとんど残されていません。「あの時、親がまだしっかり自分の言葉で話せたうちに、家族でちゃんと方針を決めておけばよかった……」と、悔し涙を流されるご家族を私は何度も見てきました。

相続対策や資産管理において最も大切な鉄則:
「本人の意思の確認ができる、元気な今しか打てない手がある」

親御様が自分の想いを語れるうちに準備することこそが、最大の愛情であり防衛策です。

判断能力が衰えてからでは手遅れになってしまうからこそ、元気な「今」動き出すことが、家族全員の未来を守る唯一の手段なのです。

■ 親のプライドを守りながら開く「家族会議」

「そうは言っても、親にどうやって話を切り出せばいいのか分からない」
「財産の話をすると、親が『自分の財産を取られるんじゃないか』と機嫌を損ねてしまう」

そうしたお悩みを抱える方のために、私たちがご自宅のお茶の間に入り、サポートしているのが「家族会議」です。私たちが目指すのは、機械的な契約書の作成ではありません。親御様がこれまでどんな想いで土地を守り、家族を育ててきたのかという歴史に耳を傾け、親御様の尊厳を守りながら、「これからの安心な暮らしをどう支えるか」を家族全員で共有する場を作ることです。

家族信託や任意後見、生前の遺産分割方針など、元気なうちであれば、ご家族の状況に合わせたオーダーメイドの選択肢をいくらでも組み合わせることができます。

将来の選択肢を、今のうちに一緒に整理していきましょう。

相続や不動産に関する小さなお悩みやご不安は、
どうぞお気軽にオルテ地所開発までお問い合わせください。