
不動産の価値は「安全性」や「災害リスク」が重視される時代へ!
戸田市に関わる者として、見逃せないニュースが出てきました。政府・与党が災害の危険性が極めて高い区域の住宅を住宅ローン減税の適用対象外とする方向で検討していることがわかりました。
住宅ローンの残高に応じて所得税や住民税の支払いが減る住宅ローン減税は、2025年末が適用期限となっていますが、5年間延長する方向で検討が進められています。現行の住宅ローン減税の制度では災害の危険性に対応した適用要件は無いのですが、今回の延長に伴って危険地域の一部は適用の対象外とする方向で検討しているようです。適用対象外とする具体的な地域は、災害危険区域や土砂災害特別警戒区域、浸水被害防止区域など「レッドゾーン」と呼ばれる危険地域の一部を想定しています。
この変更を検討する背景としては下記が挙げられます。
①災害リスクの高まり
近年、大雨・台風・ゲリラ豪雨が毎年のように発生し、各地で土砂崩れが頻発しています。災害リスクの高いエリアに新たに住宅を建てることは、住む人にとっても社会にとっても大きな負担となります。
②公的支援のあり方の見直し
住宅ローン減税は、国が税収を使って住宅取得をサポートする制度です。その支援を、あえて危険度の高い場所に住宅を建てる人にも等しく与えるべきかどうか、という議論が生まれています。
③防災投資を促すため
「危険区域では減税が受けられない」となれば、より安全なエリアを選ぶ動機にもつながります。安全な場所に住むことは、最終的には社会全体のリスクを減らすことにもなります。
戸田市にお住いの方はご存じだと思いますが、戸田市全域の海抜が低いため、荒川をはじめとした河川が氾濫した際は、戸田市の北部(さいたま市)などへ避難することが推奨されています。
幸いにも、現在は戸田市に災害危険区域や土砂災害特別警戒区域といった所謂「レッドゾーン」は指定されていませんが、今後の法改正によって基準が変更される可能性もあります。そのため、決して他人事ではないニュースです。
今後、住宅ローン減税がレッドゾーンを対象外とする方針になれば、下記の動きが生じてくると考えられます。
(1)レッドゾーン物件の“売れにくさ”は確実に増す
これまでは、立地が良ければレッドゾーンでも購入を検討する人は一定数いました。しかし、減税が受けられないとなれば、手取りの返済負担が増えるため 購入をためらう人が確実に増えます。
結果として、物件の売却が完了するまでの期間の長期化、申込者から価格交渉(値下げ)が入りやすくなる、将来の売却リスクが高まる、といった市場変化が生じるでしょう。
(2)関係者の取組姿勢が変わる可能性
レッドゾーンに家を建てる場合、下記対応が考えられます。
◇金融機関:融資審査が厳しくなる可能性
◇ハウスメーカー:安全対策工事の追加提案が増える
◇不動産業者:重要事項説明書の説明義務がさらに重くなる
という変化が予想されます。
特に金融機関は“将来売却できる担保価値”を重視するため、減税対象外=需要減 と判断すれば、融資条件に影響する可能性もあります。
(3)不動産業者の説明義務と情報提供の質がこれまで以上に重要に
レッドゾーンに限らず、災害リスク情報の告知は宅建業法で義務化されています。今回の制度見直しが進めば、購入検討者からの質問はさらに増えます。特に説明すべきポイントは次のとおりです。
◇なぜ減税が適用されないのか
◇どのハザードマップに該当するのか
◇過去の災害履歴
◇安全対策工事の内容・費用
◇将来の資産価値の見通し
「ただ危険区域です」と言うだけでは不十分で、“リスクの中身”を理解してもらう説明力が求められます。
個人的には上記(3)は不動産業界にとってプラスの要素と考えています。レッドゾーン除外の見直しは、単なる“制度変更”ではなく、「これからの住まい選びが大きく変わるターニングポイント」 といえます。従来は、「価格」、「立地」、「利便性」などが重要視されて不動産を評価していましたが、これからは「安全性」や「災害リスク」を中心に考える時代へ移行していきます。その変化を理解し、正しく案内できることが、不動産業者への信頼に繋がっていくことになるでしょう。
オルテ地所開発㈱では、現地調査、法的調査、役所調査を通じて、対象不動産の特徴を把握し、その結果を適切に相手方にお伝えすることで、対象不動産の理解度を深めていただき、取引後のトラブルを極力無くすよう努めています。ご所有不動産の所在するエリアが気になる、レッドゾーンかどうか調べてほしいといったお悩みがあるオーナー様、是非オルテ地所開発㈱にご相談ください。


