オルテの物件調査②
前回の続き、とある場所で様々な制限がある土地のお話しです。
今回の案件で懸念していたことがあります。それは、この擁壁は誰が管理しているのかということです。
私はこれまで根拠もなく、擁壁はその下の土地ではなく、上の土地のために存在するものだと思い込んでいました。しかし、今回のケースでは下の土地と擁壁、更には擁壁の上の一部の土地が敷地の範囲と判明したたため、擁壁の上の所有者はこの件には一切関係はなく、擁壁に関しての何ら権利・義務を有していません。
なお、この擁壁自体が数十年前にこの辺り一帯を宅地として分譲する際にできたもので、民間のものとなり、行政は一切管理していません。(擁壁の建築確認は出ていませんでした。)
つまり、この擁壁に何か不具合があった際は、所有者自ら修繕や管理をしていく必要があります。これはかなり厳しい条件です。既に擁壁ができてから数十年は経過しており、依頼者によるとこれまで修繕等を行ったかは不明な状況、安全性に関しては何ら保証はありません。
また、この擁壁が幅数百メートルにわたる規模になるため、今回の敷地内の擁壁だけ修繕しても、他が崩れてしまえば被害を受ける可能性が非常に高いです。
調査した結果を依頼者へ丁寧に説明し、この状況を踏まえた価格設定で販売活動を行った末、購入希望者が現れ、無事契約となりました。
余談ですが、全国にこうしたケースは多々あると思います。民間では解決できない問題なので、行政主導で解決する方法(法整備など)を早く考えてほしいと思いました。
オルテ地所開発㈱では、どんな案件であっても徹底的に調査を行い、その内容を分かりやすく丁寧にお客様へご説明することを基本としています。これまで不動産業者の調査不足によりトラブルになったことがある方、満足いただけるサービスを提供できますので、是非お問い合わせください。